メディアによる入浴事故予防情報の発信と入浴関連死及び救急搬送との関連:生態学的時系列研究

2026年7月14日作成
第1版

本研究についてご関心をお持ちの皆さまへ
研究に関する情報公開用文書

本学では、以下の医学研究を実施しています。この研究では、普段、国や中央省庁、地方自治体が実施する調査で得られた情報を使用させていただくものです。この研究のために、新たに面接や検査などを行うことはありません。この文書は、本研究の内容、使用する情報、個人情報等の管理、公表方法及び問い合わせ先を説明するための文書です。本研究で用いる情報等から、研究者が個々の方を特定することは困難です。そのため、対象者及びご遺族、関係者の方から研究対象からの除外を希望された場合でも、該当する個人の情報を特定して除外することはできません。ただし、研究内容や情報の取扱いに関するご質問には、下記のお問い合わせ先で対応します。


研究課題名
メディアによる入浴事故予防情報の発信と入浴関連死及び救急搬送との関連:生態学的時系列研究


1. 対象となる方
2011年1月1日から2024年12月31日までに、次のいずれかに該当し、公的機関の情報に記録された方または事象を対象とします。①日本国内で浴槽内での溺死及び溺水(疾病及び関連保健問題の国際統計分類[第10版]コード:W65)により亡くなられた日本国籍の方、②浴室及びその周辺環境で傷病が発生し、救急搬送された方、③浴室内で亡くなられ、警察による検視の対象となった方です。ただし、奈良県警察の検視情報については、2026年12月31日までを対象とします。日付、都道府県等の解析に必要な情報を確認できない場合は、解析から除外することがあります。


2. 研究責任者
奈良県立医科大学 疫学・予防医学講座 田井 義彬


3. 研究の目的と意義
日本では入浴中の急死が多く、特に寒冷期の浴槽内での溺死や浴室内死亡は重要な公衆衛生上の課題です。テレビ放送や天気予報による入浴事故予防情報は、多くの人に注意を促し、入浴行動を変える可能性がありますが、死亡や救急搬送の減少と関連するかは十分に分かっていません。本研究では、2024年12月6日の全国的な報道、地方テレビ局による入浴事故予防放送及び2017年10月2日のヒートショック予報の全国提供開始と、入浴関連死や浴室での救急搬送の変化との関連を調べます。得られた結果を、より効果的な入浴事故予防情報の発信方法を検討するための基礎資料とすることを目的としています。本研究は、特定の個人、地域又は報道機関の責任を問うことを目的とするものではありません。


4. 研究の方法
この研究では、下記の「使用する情報」に示すデータを用いて、テレビ放送やヒートショック予報による情報発信の前後で、入浴関連死及び浴室での救急搬送の発生状況が変化したかを調べます。
本研究では、すでに公的機関等で作成されている情報及び個人を識別できない形に加工された集計情報を用います。亡くなられた方のご遺族、救急搬送された方及び関係者の方に、質問、連絡、診療録の閲覧、検査又は介入を行うことはありません。
人口動態調査死亡票、警察の検視情報及び消防庁の救急搬送情報を、都道府県別・日別または月別に整理し、テレビ放送・インターネットニュース、ヒートショック予報、気象、暦及び人口情報と組み合わせて解析します。主な解析では、①2024年12月6日の全国的報道前後を過去の同時期と比較する解析、②地域テレビ放送の有無による地域差の解析、③ヒートショック予報の全国提供開始前後の月別推移の解析を、季節性や気温等を考慮して行います。


5. 使用する情報
本研究では生体試料を使用しません。
主に以下の情報を用います。

情報の種類使用する主な項目
人口動態調査死亡票浴槽内の溺死、自殺、および交通事故による死亡と診断された者(分類コード:W65、X60–X84、V01–V99に該当)の日別集計。住所地(都道府県のみ)、年齢または年齢階級、性別を同時に収集し、属性別の分析に加える。国籍を収集し、日本国籍の者に限定した分析を行う。
消防庁救急搬送情報浴室及びその周辺環境で発生した救急搬送者数の日別集計。発生場所(都道府県)、年齢層、性別、重症度の指標(気管挿管や胸骨圧迫の有無等)を同時に収集し、属性別の分析に用いる。
警察の検視情報浴室内で発生した死亡における警察の検視数を日別集計として用いる。発生場所(都道府県)、年齢層、性別、を同時に収集し、属性別の分析に用いる。
テレビ放送・ニュース情報2024年12月6日及びそれ以降(同月中)に報じられた著名人の浴槽内死亡に関するテレビ放送。入浴事故予防に関するテレビ放送。放送日、放送局、放送地域、放送内容、放送時刻を同時に収集する。
ヒートショック予報情報日本気象協会が提供するヒートショック予報の提供開始日及び対象地域
気象・暦・人口情報気温(日平均、日最高、日最低)、気圧、降水量、湿度、日照時間、積雪量。曜日、祝日、歴日。都道府県別の年次人口


6. 情報の管理責任者
奈良県立医科大学 学長


7. 研究期間
研究機関長の実施許可日~2029年3月31日


8. 個人情報の取り扱い
本研究では、氏名、詳細な住所、個人識別番号など、個人を直接特定できる情報は研究計画上取得しません。人口動態調査死亡票については、住所地(都道府県のみ)、死亡年月日、死因コード、国籍、年齢または年齢階級、性別等を、研究目的に必要な範囲で取り扱います。警察の検視情報及び救急搬送情報は、主に都道府県別・日別の集計情報として取り扱います。
研究データは暗号化された記録媒体または研究専用ストレージに保存し、研究責任者が厳重に管理します。研究成果を公表する際には、少数例の組み合わせや特定の個人または地域が推測され得る表示を避け、集計単位の統合、秘匿処理、丸め処理を行います。
この研究は、奈良県立医科大学 医の倫理審査委員会の承認を受け、研究機関の長の許可を得た上で実施します。


9. 個別の除外対応について
本研究では、個人を特定して研究対象から除外する対応はできません。亡くなられた方から研究内容について同意を得ることはできません。また、救急搬送された方を含め、研究者が利用する情報には、氏名や詳細な住所など、個人を直接特定できる情報が含まれないため、ご本人、ご遺族または関係者の方からお申し出をいただいた場合でも、該当する方の情報を特定して除外することが困難です。そのため、この文書は研究への参加拒否を受け付けるためではなく、研究内容、利用する情報、情報管理及び公表方法を説明するために作成しています。


10. 研究結果の公表
研究結果は、学会発表、論文発表等により公表する予定です。公表する情報は、特定の個人が推測されないように処理した集計値または推定結果に限定します。


11. お問合せ先
奈良県立医科大学 疫学・予防医学講座 田井 義彬
住所:奈良県橿原市四条町840番地
電話:0744-22-3051
e-mail:yoshiaki.t@naramed-u.ac.jp