■研究テーマ

本講座が実施する前向きコホート研究では、ベースラインにおいて生活習慣病の有病割合（肥満、糖尿病、脂質異常症、高血圧症、動脈硬化、うつ症状、睡眠障害）に加えて、実生活下の環境要因（生活環境の温度、光、音）や行動要因（食事、運動、入浴、就寝、起床）、生体指標の日内変動（自由行動下血圧、身体活動、体温、メラトニン分泌、睡眠/覚醒）を測定し、心血管疾患やがんの罹患・死亡を長期間フォローしています。曝露要因やアウトカムが生じた時間帯や周期性に着目した分析する時間疫学研究を下記の主なテーマで行っています。

1) 環境および行動と生体リズム指標の関連
　　　・温度曝露と血圧日内変動
　　　・光曝露と睡眠、メラトニン分泌、血圧日内変動
　　　・騒音曝露と睡眠
　　　・入浴と睡眠、血圧日内変動
　　　・農作業と睡眠
2) 環境および行動と疾病の関連
　　　・光曝露と高血圧、肥満症、脂質異常症、糖尿病、うつ症状、動脈硬化
　　　・温度・光曝露と心血管疾患、がん、死亡
　　　・朝食欠食と肥満、糖尿病
　　　・農作業とうつ症状
3) 生体リズム指標と疾病の関連
　　　・メラトニン分泌と夜間頻尿、うつ症状、認知機能、筋力、慢性炎症、血圧日内変動、糖尿病
　　　・皮膚温リズムと睡眠、血圧日内変動
　　　・身体活動リズムと血圧日内変動
　　　・クロノタイプと睡眠
4）その他
　　　・夜間頻尿と血圧日内変動、うつ症状、睡眠
　　　・ADMAと夜間頻尿、血圧日内変動、筋力、歩行速度
　　　・パーキンソン病と生体リズム、睡眠、夜間頻尿　　　　（奈良県立医科大学脳神経内科学講座との共同研究）
　　　・白内障と睡眠、認知機能、血圧日内変動　　　　　　　（奈良県立医科大学眼科学講座との共同研究）
　　　・緑内障とうつ症状、血圧日内変動　　　　　　　　　　（奈良県立医科大学眼科学講座との共同研究）
　　　・病室の光環境と院内転倒　　　　　　　　　　　　　　（天理医療大学・名古屋学芸大学との共同研究）
　　　・躁うつ病と光曝露、生体リズム、睡眠　　　　　　　　（藤田医科大学との共同研究）　　　　　　
　　　・食事摂取時刻と肥満、糖尿病　　　　　　　　　　　　（帝塚山大学・武庫川女子大学・奈良女子大学との共同研究）
　　　・生体リズム指標測定に関する妥当性検証　　　　　　　（奈良女子大学との共同研究）
　　　・健康に寄与する製品開発　　　　　　　　　　　　　　（民間企業との共同研究）