本講座は「疫学手法の理解と実践」をテーマに学部教育、大学院教育を行っています。
一般集団を対象とする疫学研究は、対象者の健康状態や疾病発生の危険因子を生活習慣や環境要因から同定することで、疾病予防に寄与します。さらに患者集団を対象とする臨床疫学研究は、治療の有効性や診断の妥当性を評価することができます。
将来、公衆衛生学や予防医学に関連する業務に携わる学生はもちろん、一般臨床医を志す学生にとっても集団データの代表値や統計学的検定結果を吟味し、研究を正しく理解する力をつけることは必須です。その結果、個人レベルの患者に正しい医療を施すことができると考えます。
本講座は、学生がエビデンスの利用者となるだけでなく、臨床課題に基づく疫学研究から新たなエビデンスを生み出し、医学の進歩に貢献できる医師に成長することを全力で支援します。そのために、疫学を単なる知識として覚えるのみではなく、常に用いる思考習慣として定着させることを目指して講義や実習を行うことを心がけています。
- 主な到達目標
- 1. 疫学研究デザインを理解して、研究の強みと限界点を指摘できる。
- 2. 集団データの特性を、代表値を算出して説明することができる。
- 3. 基本的な統計学的検定法を理解し、分析に応用することができる。
- 4. 臨床課題について、二次情報および一次情報を収集し、エビデンスレベルを理解できる。
- 5. 臨床課題解決にむけて、適切な研究デザインを選択し、臨床研究を立案できる。